仕立て直し
黒絵羽織の裄直し
絵羽模様とは格の高い模様付けのひとつです。縫い目で柄が切れない様に考えて、絵付けされています。今回の絵羽織は後身頃に大きくひとつ、柄合わせされています。
黒の絵羽織はお洒落羽織で観劇や集まりなどに着用します。以前は入園、卒園、入学、卒業に着物の上に羽織っている姿を多く見かけましたが、最近は道行コート、道中着姿が主流、流行が羽織、コート等と交互にやってきます。このお客様は元の寸法より、袖巾、肩巾を広くしてほしいとの相談でした。
仕立て直しの手順としては、まず、袖を取り外します。(注;元寸法より、かなり裄丈を長くする時はマチも解きます。)元の折りスジが残っているので、着物染み抜き専科で、綺麗にスジを消して、袖巾、肩巾を縫い出しました。着物の裄より、2~3分長くなり、着易くなりました。