仕立て直し
羽織を道中着に仕立て直し
『黒く地味な羽織を違う着物に仕立て直し出来ないでしょうか?』とインターネットからのお問い合わせとご注文を頂きました。写真を見て頂いても分かると思いますが、ローズピンクが可愛いアクセントになった道中着(伊藤衿の道中着)に仕立て直しました。
道中着は防寒や外出時の着物姿をお洒落にします。羽織とは違い外出着なので部屋の中では脱ぐのがマナーです。黒羽織を衿と飾り紐にローズピンクの別布を使って、色のメリハリをつけ、普通の道中着では無く、伊藤衿に仕立てました。身頃と袖は羽織の布をそのまま使います。お客様のご希望は袖巾を広くして欲しいとの事でしたが、布巾が狭く取れません。なので、袖に足し布をする事でお客様のご希望の袖巾に仕立て上げる事が出来ました。表衿と袖の足す布は元の羽織の衿を使いました。尚、道中着の着丈も元の長さより長いので、道中着を着用する時に見えない位置(下前の裾)で継ぎ足しました。衿の裏布、袖口布はローズピンクの布を使っています。裏衿にするには薄い生地なので接着芯を貼り、表衿より少し出してアクセントに色を楽しんで見ました。この飾り紐の手作りです。黒一色だった羽織がこのような道中着変わりました。