着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

ご案内

着物のお仕立て工程

着る人を引き立て、映える着物を仕立てる

良い仕立てには、
『型崩れしない』、『着用時の着姿が美しい』、『着用後はシワ無くタタむ事ができる』等々、お手入れや保管に仕立ての良し悪しで大きな差がでます。
伊藤和裁では熟練の和裁士が、お客様の大切なお着物を一つ一つの工程を丁寧に、且つ細心の注意を払いながらお仕立ていたします。

検品(検反)

お預りした反物や、お着物、付属品など総てが揃っているか確認し、生地の表裏全体をシミ・キズ・汚れ・染めムラ・色やけなどないか目を通し、不良個所等があれば糸印・糸標(いとじるし)をつけておき、裁ち合わせで目立たない所へ隠れるか検反します。

地直し

ドライアイロン、スチームアイロンの蒸気をあて、生地を詰まらせ、縮ませ、縦糸と横糸のバランスを整える作業です。
こうすることにより仕立て上り後の縫い狂いや熱・湿気などによる袷の表と裏のつり合いが合わなくなったり、単衣でも縮んできたりして寸法誤差を防ぐことが出来ます。

検尺

反物、裏地、付属品の長さを測り、必要な長さだけあるか(要尺、用尺)を大まかに調べます。
物差しを、写真のように持って測るので、この物差しの使い方を持尺(もちじゃく)といいます。
検尺には竹の物差しを使い、センチではなくて鯨尺を使ってます。(1メートルは約2尺6寸4分)

見積もり

お客様の寸法(サイズ)に反物が足りるか調べ、寸法に合った見積もり(身頃、袖、衽(おくみ)、衿)をします。この見積もり作業が間違ってしまうと断ち間違いで、寸法通り出来なくなってしまいます。振袖、留袖、訪問着などの、絵羽模様は柄合わせしてからの見積もり、小紋柄、横段柄など柄(追いかけ、ぶっつけ)によってその見積もりも変わってきます。

柄合わせ・柄裁ち

仕立て上がり時に柄が引き立つように模様の向きや組合せ、彩色などを見て配置します。同じ柄の物でも柄の裁ち方によって、体型の欠点を隠しつつ長所を生かし、いっそう着る人を引き立てることができます。その為、和裁士の熟練した技術とセンスが要求される非常に重要な工程です。

裁断

反物にハサミを入れる、作業工程の中で最も緊張する作業です。裁断には、無地や小紋、付下げや留袖などの絵羽物等により、手順やハサミの使い方に違いがあり、縮緬などのような地の目を真っ直ぐに通すもの、また柄や布地によって地の目を通せないもの等、いろいろな裁ち方があります。

標付(ヘラ付け)

裁断した生地に、縫い合わせを正確に行なうために、袖・身頃・衽(おくみ)・衿・胴裏・八掛にヘラで印を入れる作業です。
ヘラ付けの正確さが美しい仕上がりにつながります。

縫製

ヘラ付けに従い、縫製作業を行います。
生地と生地とのバランス、上りの良さ仕立てによって仕上がりは随分と変わることは確かです。
布地によって、針目、糸の加減やコテの当て方に微妙な違いがあり、特に袷着物の場合、裏との釣り合いをよく考えて縫っていきます。

一度目の検針

縫製ができた時点で、縫い針がお着物に残っていない、一度、入念に検針機にかけて確認致します。

検品

寸法に誤りがないか、最初の検品時で見落としたシミなどがないか最終的な確認を行います。

仕上げ

コテ、アイロン等で細かなシワを伸ばし生地に合った仕上げを行います。
アイロンはアタリ(テカリが出てしまう状態)が出ないように当て布を使って入念に仕上げします。

押し・圧し(オシ)

縫製した着物の生地を落ち着かせ、表地と裏地がなじむようにオモシを押いて適度な圧力をかけます。

二度目の検針

たとう紙に収め田植えで、お客様にお渡しする状態で絶対に縫い針が残っていないかもういちど確認します。