着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

仕立て直し

大島紬で着物と羽織に仕立て直し


着物本来の扱われ方は普段着です。大島アンサンブルを仕立てました。
大島紬の生地は、絹使いの織物ならではの精緻な絣(カスリ)、光沢のある薄くて、軽い、しなやかな手触りが特徴です。羽織は肩に軽く、着物は裾捌き(スソサバキ)の良い上質な織り味を楽しめる普段着です。これから秋の時期、秋の落ち着いた彩りの街並みの中で、シックに映える着物です。

今回の着物の模様は、縞模様を場に、簪(カンザシ)に結び文(ムスビフミ)の器物文様が赤色系の小豆色(アズキイロ)や、羊羹色(ヨウカンイロ)で表現されています。縞模様とは、並行する線で構成される単純ながら、多様な変化を見せる文様です。器物文様のカンザシに結び文は、書状を細くたたみ、ひとつ結びにした物を結び文といい、平安時代には、恋文などに使われていました。それが文様化したものです。

仕立てについてですが、今回は大島紬アンサンブルの仕立て直しの依頼でした。
洗い張り仕立て直しの場合、初めに寸法の確認をしてから、仕立て上がり着物を解き、洗い張りをして仕立てします。お客様の裄寸法が長く、裄が取れない為、布巾いっぱいで羽織の裄を決め、着物を羽織の裄に合わせました。着用に支障はありませんが、裄が少し短くなりました。裄がかなり短くなる場合は、袖巾足し布する事もあります。但し、足し布をする場合は、共布が必要になります。

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