着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

仕立て直し

付下げたたき染めと仕立て


リピーターのお客様から『派手なので、落ち着いた色目の着物に染め直してほしい』と相談、注文を頂きました。
光沢のある綸子の生地に春を思わせる若草色のグラデーションの付下げ、大変鮮やかな着物です。
これを『着物染み抜き専科』で、たたき染めをしました。
まず、着物を全て解いて、洗い張りをし、まずは地色に竜胆色を色カケします。
元の色目を抜かずに色を掛けると着物に色の濃淡が出ます。若草色のぼかしが濃い目の竜胆色に染め上がります。
それが出来上がりますと緋色と柑子色、竜胆色(地色と同色)を三重に染めます。
綸子の光沢、芝草地模様、四色の染め色により、シックに着物全体がぼかしの模様のような付下げに生まれ変わりました。
仕立てでの工夫は、掛け衿に洗い張り、染み抜きをしても取り切れない、染め直しても誤魔化しきれない、古い汗、化粧品の汚れがありましたので、地衿を摘んで、掛け衿として使い、汚れている掛け衿は地衿の中に入れて、騙し掛け衿をして仕立て直しました。

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