仕立て直し
紬着物の丈出し
リピーターのお客様の紬着物です。お孫さんの仕立てや着物とコートと帯の創作仕立てなどを手掛けさせて頂きました。今回は亡くなられたお母様の着物をお客様が着れる様に仕立て直しをさせて頂きました。
この紬着物の寸法を測りますとお客様の寸法と見比べ、身丈を一杯に出してもまったく寸法通りには上がりません。男物着物の様に対丈で仕立て直す方法もあるのですが、お客様は希望寸法どおりのお端折りのある着物にしたいとの強いご希望でしたので、帯を締めた時に隠れる位置をバッサリと切り、その部分に足し布をして【丈出し】という方法で身丈を希望寸法に仕立てました。
まずは、着物を全て解いて洗い張りと湯のし、スジ消しをして、この着物地を綺麗にしてから、今回は新品の胴裏を使って、仕立て直しをします。この着物の丈出しの方法は前身頃 後身頃の両方に足し布をするのではなく、後身頃だけで直しています。足し布が掛衿からしか出て来ないので、縦布を横に使い、衿肩明をオクミ下がりの中に入れることで後身頃のみの足し布で直せます。こうすることで前身頃は継ぎ目の無い綺麗な普通の着物として着用の時はお端折りを気にしないで着用することが出来ます。