着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

仕立て直し

仕立て直し事例 - 雛人形服地で道中着


リピーターのお客様のご依頼です。
雛人形のお店で1メートル2千円で雛人形服地の端切れが売りに出ていたそうです。『この端切れは安い!』と思い、この端切れで予てから作りたかった道中着が出来ないかと閃いたそうです。お店の方にこの端切れが正絹かどうか尋ねて、正絹であることを確認して、一度、自宅に戻り、私共のところに終丈の道中着に仕立てるのなら何メートル端切れが入るのか問い合わせを入れ、道中着を仕立てるのに必要な生地を4メートル8千円分とお教えし、そして生地を購入され、私共オリジナルの胸元がすっきりと映る道中着に仕立てました。
仕立てる際に大変苦労したところは、着物地巾とは違い、用尺が決まっていない洋服地のような115cmの巾の端切れです。裁ち合わせが非常に難しい作業でした。裏地の肩裏をまず裁ち合わせし、次に袖、身頃の順番にどの位置でどう?取ろうか、たて衿はどこで取ろうか、などなど、お客様のサイズと雛人形服地と計算しながら出しました。(写真下段が裁ち合わせしたメモです。)生地には厚みがあり、道中着に大変良く合いますし、生地の文様も奈良時代シルクロードを通り中東から贈られた宝物の文様をモチーフにしている正倉院文様です。
こちらも能衣装にもよく見られるので、道中着にも映える文様です。お客様のセンスが光ります。

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