着物の仕立て
染めと絞りと金箔の技を盛り込んだ振袖
女の子が誕生し、成長をしていく間には、数々の行事を行います。その折々に着物を着せてもらった時の思い出があると思います。
記念に残した写真や動画などを見ては、その当時の事を覚えていたり、忘れていて教えてもらったりと、まるで最近の出来事かのように御両親や親戚、友達との楽しい語り草になります。
今回の振袖は、染めと絞りと金箔の技を盛り込んだ着物です。
朱赤色の地染め、地模様が織り込まれた綸子地の生地が振袖に射す光の強弱、人の所作で振袖の有り様が幾度も変わります。温かみのある絞りの技と 袖・身頃・衽や衿のワンポイントの黒色のキリッとした色使い、心までキリリと引き締まります。そして、煌びやかな金箔のみで表現した、橘(タチバナ)・菊(キク)・蟹牡丹(カニボタン)・鳳凰(ホウオウ)・貝桶(カイオケ)・エ霞(エカスミ)・観世水(カンゼミズ)などの吉祥文様たちの文様取り合わせが、この振袖をお召しになるお嬢様を美しく幸せにしてくれます。
今回の仕立てについてですが、気を使ったところは、染めと絞りの異なった技の部分が、それぞれ染めと絞りの縮み具合が異なる為、地入れを丁寧に行い、絞りの風合いを潰さない様に仕立てています。
今回の振袖はどんな思い出が込められるのでしょうか。楽しみですね。