男物 事例60
蔵王権現の裏地の羽織の仕立て
紬の裏地に個性的な蔵王権現の柄と袖の額裏を使って仕立てています。この羽織は、羽織紐の組み合わせや素材などにこだわって、手持ちの着物や帯、長襦袢の半衿の色など、組み合わせを変えて、カジュアルに楽しむことが出来ます。
この蔵王権現の柄を出来るだけ裾の方に下げて下さい。とのメモ書きに添えられていました。その為、返り丈が短くなりました。将来的に羽織丈を長く伸ばしたい時の対応にも叶うようにハギ位置で表地をたくさん縫い込んでいます。
男物の羽織の仕立ては、基本、肩くりをしませんが、羽織には肩くりをします。肩巾と裾巾の差が多いので、袖付け辺りにヒキツレが出やすいので気を付けてヘラ付けをします。衿を折り返して着用するので、肩回りに添う様に、そして、衿先はソリ返らない様になどを注意しながら、身頃と衿のつり合いを上手く調整し縫い付けます。
男物羽織は、袖丈イコール袖付けです。袖付け止まりは、ほつれやすいのでしっかり留めをします。