着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

付下げ訪問着の仕立て


魅せる美、その美を着る、そして、その美を仕立てました。
日本人が生み出すデザインは洗練された感性が深く関わっています。その感性は、自然と調和された環境に居ることで構築されます。

今回の付下げ訪問着は、現代日本の洗練された感性が作り上げた大胆な構図から斬新な色彩感覚で表現された、素晴らしい着物です。
縮緬地に、地色は旋律に映る鶸(ヒワ)色(黄味の勝ったる明るい萌黄色)、模様は歳寒の三友(松竹梅)のひとつ竹。鮮やかな瑞々しい竹を細かくデッサンして描かれています。着物の上前の柄(メインの柄になります。)には、竹の幹と笹の枠を金コマで模り、その続きの柄は、金加工で模っています。

仕立てについてですが、今回は付下げ訪問着です。
付下げと訪問着の違いは、一概には言えませんが付下げは柄が少な目です。見た目の柄付けは似ていますが、付下げは基本、左右の身頃や肩から袖にかけて柄が繋がっていません。今回は、身頃が繋がってるので付下げ訪問着になります。仕立ての際、柄合わせに注意を払いました。基本は柄合わせ優先に仕立てますが、お客様によっては身巾を優先します。身巾寸法が2~3分くらいの違いなら、柄合わせを優先にできますが、それ以上に広くなったり、狭くなったりする場合は、柄合わせを優先してしまうと、せっかくのオーダーメイドの意味がなくなり着用しにくい着物になってしまいます。今回は、寸法通りで柄合わせが出来たので、素敵な付下げ訪問着に仕上がることが出来ました。

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