着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

着物の仕立て

お仕立て事例 - 紅梅色の友禅染め振袖


紅梅色の可愛らしい友禅染めの振袖を仕立てました。文様は上前、後身頃、両袖にと柄付けの要所には花車、金箔で描かれた観世水、着物全体の花々は四季草花です。
振袖は袖の長い第一礼装で未婚女性が着られます。袖の長さによって大振袖は袖丈が3尺3寸、中振袖は2尺4寸~8寸)小振袖は(2尺~2尺3寸)です。成人式、新年会、結婚披露宴、初釜に着用します。最近では30歳前後まで着用される事が多い様です。
仕立てのポイントは着物全体が絵画の様に描かれていますので、縫い合わす背・脇・衽・袖付けなど全てを柄合わせします。背は衿肩あきとくりこしを考えながら、袖付けの柄も見ます。脇の柄合わせをする時には、衿の柄はどうか?着物全体を確認し、下前衽も忘れずに確認します。上前の柄を見た時に衽八掛けの柄・ぼかしの具合も確かめます。絵柄重視の仕立てか?寸法重視の仕立てなのか?で少し柄合わせは変わります。掛け衿の柄は衿肩あきを決める時に必ず確認しておきます。地衿は、着用時に見えない事もあり、しっかり柄合わせが出来ない時もあります。袖付けに柄を合わせる時に袖口の縫い代が出るか?確認します。全体に紅梅色なので、縫い糸はピンクを主にしますが、柄の中のぼかしで縫い糸を替えて縫います。その時、縫い目に間が無い様に気をつけます。

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