着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

舞台衣装

女性用の訪問着を男性用舞台衣装に


役者さんの舞台衣装を仕立てました。お客様がお気に入りの役者さんにプレゼントされます。本来、舞台衣装用の着物地があり、その生地で舞台衣装を仕立てますが、今回はお客様の気に入った柄の着物がなく、普通に女性用の訪問着(写真中段2枚と下段1枚)を代用して舞台衣装に仕立てました。当然ながら、男性用に仕立ててあります。
辻か花の女性らしく、豪華な訪問着を男性用に仕立てるには、寸法を出すには、色んな工夫が必要です。舞台で舞われる際に、手の甲が隠れる様に裄丈を長く取っています。袖巾の足し布は、掛け衿を使うのですが、今回は衿と胸元の絵模様が繋がっている為、衿の見える部分は表地を使い仕立て、見えない裏側には、足し布をする工夫をしています。身丈もお客様の目線、舞台下から足元が見えないように、そして胸元がふくよかに見えるように長く取って仕立てています。役者さんもここまで考えて仕立てをしてることは知らないと思います。

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