着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

男物 事例37

男物大島紬A/Sと男物長襦袢


男物着物はおはしよりがなく着用するので、着丈の長さに仕立てますが、私どもでは後々、仕立て直しが出来る様にと、考えて身丈の余分を内揚げとして帯の下になる位置に入れて仕立てます。【帯をして、内揚げがを隠します。】衿は棒衿仕立て。袖は人形を付け、袖口布は別に用意しても、共布を使っても、どちらでも構いません。
仕立て方は通し裏仕立てが、殆んどで裏地は金巾を使用します。男物の羽織の仕立ては、裏地の羽裏として、羽二重、綸子等が適していて、額裏と呼ばれる派手で凝った山水画や動物画等の絵柄を付ける傾向にあります。隠れたお洒落と言われています。袖丈は袖付けをつけ詰めにするので、長着の寸法より長くします。袖巾も着物より長くして、着物の袖が出て来ない様にします。袖をつけ詰めにするので、まちの形も上部が剣先のようになっていて、袖付け止まりまであります。衿巾とマチ巾は、同寸にします。羽織の衿は長着の衿の外回りになりますので、少しくりこしをつけます。男物長襦袢の仕立ては通し衿仕立てが多いですが、身巾の広い方には、別衿仕立てがお薦めです。今回の男物長襦袢は背・脇・袖付けが絵羽物で柄合わせが有り、作った方のこの作品対するこだわりが伝わってきます。着丈、袖丈、袖巾は着物より少し短く、狭く、袖口は輪になっているので、 飾りしつけにして仕立て上げます。