着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

男物 事例36

男物十徳袷羽織の仕立て


電話で『必殺、仕事人の梅安みたいな、男物の羽織を作ってほしい』と問い合わせをいただきました。
私どものホームページをご覧になって『ここなら、仕立てれるかも!』と思われたそうです。この前の日はメール下さっていました。メールも電話も、ご来店頂いた感じも大阪独特の気さくで、大変、面白いお客様でした。お母さんのお気に入りのこの絣文様、矢絣【ヤガスリ】の小紋着物を使って仕立てました。
【着物染み抜き専科】で洗い張りをしました。今回のこの生地自体は固く、仕立ての仕上がり具合に支障が出そうなので柔軟加工をさせて貰いました。柔軟加工には、いくつかの方法があります。。生地も厚みがあり、このまま、衿を作ると衿に厚みが出るので、それを無くす為に衿巾を半分にしました。お客様の希望がマチ無し、脇スリット3寸、前下がり1寸などなどでしたので、脇のスリットを作る為には、脇を2度縫いして、キセをかけて、割って、伏せ縫いで押さえるという作業になります。袖に飾り紐を通す穴を開ける時に布地が解れて来ない様に裏地に接着芯を張る工夫をしました。袖は袖巾が1尺なので袖口を裏布より、外に3分ずらして袖口布を付けています。乳付けの紐は共布で結び紐を作っております。