着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

男物 事例23

男物大島紬アンサンブル


男物大島紬の羽織と着物を仕立てました。染めの着物は京都、東京、金沢などの大都市で作られています。それに対し、織りの着物の産地は全国各地にあり、その地域の特性に合わした織物が生み出されています。
大島紬は鹿児島県の奄美大島で織られていたもので、繭から引いた糸を何本かねり合わせた生糸で織っている紬です。今回の仕立ては藍で染めた大島紬です。生地は薄く、針を通すと縫い目がビリ付き易く、特に男物袷着物の場合は仕立ての裏地に金巾(素材は綿地)を使いますので、表地と裏地の釣り合いが難しく、裏地の金巾を少し緩めて仕立てないと表地に袋が入ってしまいます。縫い上げた後の仕上げも難しいです。羽織の裏地は肩裏が広巾で背縫い合わせはありません。裏地を一枚の絵の様(下段中央の写真)に見えるように仕立てます。その肩裏は長襦袢の絵柄とお揃いにになっているものが多いです。