着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

男物 事例15

浮世絵の男物長襦袢の仕立て


男物長襦袢を関西仕立てにしました。
大変お洒落な絵羽の長襦袢です。鹿の子絞りを四角に縦横に並べて、市松の文様にして、左身頃には東洲斎写楽が描いた三代目大谷鬼次の江戸兵衛 右身頃にも同じく写楽が描いた三代目澤村宗十郎、(共に江戸時代中期の歌舞伎役者)が描かれています。下前身頃にも歌舞伎独特の化粧法の隈取りがデザインされています。
男物長襦袢の仕立て方には、関東仕立てと関西仕立てがあります。その違いは衿の仕立て方にあります。関東仕立ては通し衿にし、関西仕立ては別衿にして仕立てます。体格の良い方は関西仕立てをお勧めします。
今回のこのお洒落な長襦袢は身巾寸法を出す為に竪衿の裏に別布を足して前巾を広く仕立ててあります。この長襦袢、男物長襦袢としては珍しい居敷当て(裏地)を内揚げから後身頃に付けて仕立て上げました。