着物の仕立てと仕立て直し伊藤和裁

伊藤和裁の成り立ちと想い

伊藤和裁の成り立ちと想い 3/4

仕立ての出来栄えには【どん欲であれ!】

伊藤和裁は、着物の出来栄えには貪欲でした。 それは、着物を着る人の事を大切に思うからこそです。 当時は、東は仙台、西は福岡、愛媛まで和裁所がありましたので、それぞれの地域の工夫や技術を手に入れる事が出来ましたし、着物を綺麗に仕立てる事が出来るのであれば、積極的に取り入れていました。毎月、集合ミーティングや電話での情報交換でも、各和裁所の教師たちも自分たちが考えたアイデアや、その工夫、コツを、出し合い、意見交換を交わし、みんなから賛同を得られれば、仕立てに採用していました。

お客様の仕立てのニーズが様々なる何十年も前の時代から・・・

今でこそ、お客様のニーズは様々ですが、伊藤和裁はそんなニーズの声が小さくて聞こえ難かった30年前もから、対応しておりました。『男児のお宮参り産着を七五三詣りの男児五歳用子供羽織に仕立て直しの仕立て方を考案しました。』 着物衿道中着の真っ直ぐな衿のラインが着用すると、どうしても胸元が落ち着かないと困っておられたお客さまの為に道中着の衿に絶妙なカーブラインにして、着用しても胸元がスッキリと落ち着き、綺麗な着姿になるよう考案しました。『伊藤衿道中着』 お取引先さまに提案しました。スリーシーズン着物、二枚重ね着物、この着物仕立てはお客様が着用時にお困りの時にお手伝いできます。すべてのお着物にはお勧めしておりませんが、これも伊藤和裁が考えた仕立て方です。

そして、お客様のニーズも様々な仕立ての時代へ・・・

伊藤和裁は、振袖や留袖、訪問着などのポピュラーな仕立てをする時代から、洋裁の型紙を取り入れて仕立てる変わり衿コート仕立て、絶妙なカーブラインの衿の伊藤衿道中着、一般女性が着用するために柄付けされた振袖や訪問着を大衆演劇の舞台衣装に工夫して、仕立て直す。成人式に着用した思い入れのある振袖を結婚披露宴の裾引き着物に仕立て直しする。仕立て上がり見本着物を見本通りに仕立てる。伊藤和裁の考案した創作着物仕立てなど、お客様の様々なニーズにも対応出来るより、プロフェッショナルな仕立てが出来る和裁所になりました。

バブル崩壊と海外縫製の台頭に躍進

1990年代に入りますと、徐々に日本経済の景気の後退、俗に言うバブル崩壊が始まります。私の取引先の関西系デパート、大手呉服チェーン店、京都着物メーカー様、なども、大幅に売り上げが下がり、色んな部門を経費削減!!

着物の仕立て代もそうです。バブル崩壊の荒波が伊藤和裁にも押し寄せて、翻弄され冬の時代の到来です。それと、仕立て代の安価な海外縫製が台頭してきました。

価格競争で国内仕立てと海外縫製との凌ぎ合いを繰り広げ、取引先のコスト削減により、海外縫製の躍進に繋がり、国内仕立てには仕事が回って来ず、減り、大変な目に合いました。徐々に、国内仕立てと海外縫製は区別されましたが、売上げは戻りませんでした。